伊勢神宮の御塩


 神宮では『祭祀集覧』に「朝夕供進の御饌(神様のお供え)は、黒米の蒸飯、二見の堅塩、天忍井の御水、是の三種なり」と記されているように、生命の源である米・塩・水は太古から大御神の大切なお供えとされてきました。
 とりわけ、二見の御塩は、お祭りの際、お供えとして捧げられるだけでなく、お清めの塩としても使用されてきました。
 この二見浦から御塩を供進したことは、第十一代垂仁天皇の御代、皇大神宮(内宮)ご鎮座当時に始まったと伝えれています。

「御塩作り」

 
神宮の製塩法は入浜式塩田で、二見町大字西の西端、
五十鈴川の堤防に接したところに御塩浜があります。
 この場所に御塩浜があるのは、海水に淡水が少し混入
した方が細かい良い塩ができるという理由によります。

<御塩作りの作業>

○ 準 備

 浜おこし ・・・ 採鹹(さいかん)作業に先立ち”すき”を使って御塩浜を整備する

 潮を入れる・・・ 満潮時に海水を御塩浜に入れ、御塩浜全面を冠水
          させ、次の干潮時に放水する。

○ 採鹹作業

 浜をおろす ・・・ 沼井(ぬい)の中の散砂を木製の”浜ぐわ”で掘りおこし、沼井
            の周囲に掘り出す。
           (* 御塩浜には四つの穴(沼井と呼ばれる)がつくられている。)

 浜をひろげる ・・・ 沼井から掘り出した砂は”浜ぐわ”で御塩浜地盤面にまく

 浜をかえす ・・・ 御塩浜にまかれた砂は、天日によって乾燥され、塩分が付着します。
           この乾燥を助けるため、”砂かき”で砂をかき起こす。

 浜をよせる ・・・ 天日で乾いた砂を”えぶり”を使って、沼井の両側に、二条のうね状
           にして集める。

 潮をおそう ・・・ 沼井に砂が入ると、沼井に海水を注ぐ。

 採   鹹 ・・・ 海水を注いだ後、しばらくすると、沼井の下穴に潮の塩分を溶出した
           「鹹水」(=濃い塩水)が溜まる。

 これで採鹹作業は終了です。 

(j神宮司庁:提供)

○ 御塩汲入作業

 御塩汲入所において御塩浜で採鹹した鹹水を十二個ある壷のうち十一個に貯水する。残りの一個は釜に運ぶ前に砂を入れた濾過桶を通して清浄な水を得るために使用する。

○ 御塩焼作業


 御塩焼所において海水から作った鹹水を一昼夜かけて煮つめ荒塩が作られる。

(神宮司庁:提供)
○ 御塩焼固作業


 御塩殿において御火を鑚(き)り、その御火で荒塩を三角錐の形に焼き固める。

(神宮司庁:提供)

 以上の作業を経て伊勢神宮の御塩ができあがります。